7.29.2013

Connectivity

 スマートフォンの時代はこの2年ほどがピークなのだろう。
 ここでいう"スマートフォン"というのはいわゆる固定化された液晶画面があってボタンは最低限という初代iPhoneに連なる形状を持った端末のことだ。
 スマートフォンの普及率が約50%(※1)となり、ソーシャルの時代だとか言われつつも、ガラケー文化的なLINEが大流行りというのもなかなか笑えない冗談だけど、そこにはなぜ人が繋がりあおうとするのかということと、(言い方が悪いけど)その心理を利用すると刹那的なビジネスが出来るということがよくわかる。

 それはともかく、そろそろ前に進むべき頃合いだ。

 スマートフォン時代の先を考える時、一つの大きな動きとしてあるのはウェアラブルという流れだ。Google Glassに代表されるようなメガネ型のデバイスでは、視界に情報を重ね合わせて表示するタイプのインタフェースが特徴的。操作を行なうための視線移動を最小限に抑えることが出来るため、何か他のことをしながら平行的に利用するシーンに有効と考えられる。車のナビゲーションなどには極めて有効かもという意見もあるが、個人的には照射型のグラス型デバイスはニッチ以上のものにはなれないと思ってる。
 もう一つ、腕時計型のものもAppleがiWatchを出すのではなどの噂もあったりしてウェアラブルなデバイスとしては今年後半くらいから注目を集めてきそうだ。iWatchはまだ噂でしかないし、出るのかどうかもわからないけれど、すでに形と機能が見えていて年末には発売されるのがKREYOS。すでにIndiegogoで目標額の10倍以上を集めており、日本語含め8カ国語をサポートしていることで広く注目されている。


 単独でインターネットに接続出来るわけではなく、ネット接続には他の通信手段が必要という点ではGoogle Glassなどと同じだけど、Bluetooth4.0によるスマートフォン連携だけでなくANT+に対応しているのでフィットネス用として活用範囲が広い。機器間連携(M2M)を重視した考え方はウェアラブルデバイスの将来性を示す良い例になり得ると思う(いまのところEARLY ADOPTERS向けには11月頃出荷予定)。

 スマートフォンの先を考えていくとき、「インターネットに接続出来る」ということだけではなく通信機能を持った周辺のデバイスと相互に情報をやり取り出来るということと、自律的に接続性確保しネットワークを構築出来る、ということを軸にして考えていくことが重要だ。
 身の回りにある様々なものが通信機能を持ち相互に情報をやり取り可能になってくるときに、情報機器はどのようなカタチになりうるのか。
固定化されたスマートフォンのカタチ(ディスプレイの制約)から解き放たれる時代はすぐそこまで来ている。

※1 CIAJ調査による. http://www.ciaj.or.jp/jp/pressrelease/pressrelease2013/2013/07/24/10785/

7.22.2013

素晴らしき哉、民主主義

民意は愚かだ、ということを最も心得ているのが自民党なのだろう. 
過去の失敗を学ぶことなく、民意は選択を行った.

低水準の投票率は、選挙権を持たない20歳未満を含めた全人口に対する比率に無理矢理補整すると約43%。圧勝といわれる自民党は34.7%の得票率を得たとのことなので、全人口から換算すると約1927万人が自民党を、そしてその政策を支持したということになる。
これは日本人口に対して約15%。

全体の40%ほどの意思表示が、そして15%ほどの意見が、今後3年間どころか次の世代に影響する大きな決断をした2013年7月であった。


民主主義は素晴らしい.

#追記
大都市圏では、東京都民はテロリストが支援する候補者を当選させ、大阪府民はこの期に及んでも維新を支持し続けているという恐るべき民意であった. そして何よりも自民党を選択した福島の民意の"暗さ"には失望した. 何も学ばず短期的な自己利益しか考えていない.

7.18.2013

狂気とは何か

 人が人を殺める.
 現代の一般的な社会観からすれば、許されざることだ.
人類の歴史上、宗教儀式や慣習の中で"社会合意として"人が人を殺める文化や文明があったことは事実ではあるけれど、我々が知る社会においては許容しがたいものとして捉えられている.
 そのような殺人行為を、国という単位で世界中で行っていた時代がある. 遠い記憶になりつつある先の世界大戦の時代だ.

 第一次世界大戦では2000万人以上、第二次世界大戦では実に6000万人以上の人が命を奪われた. 国を挙げて敵である”人”を全力で殺戮する. そんな狂気が社会を、世界を覆っていた時代だ.
 狂気. その一言では言い表せないほど、人の心は暗く、難しく、恐ろしい変化する.

 そんな世界大戦の時代、その狂気の時代末期に行われた特攻作戦については文献を読んだり、鹿児島の知覧にある知覧特攻平和会館を訪ねたりして識ることが多かったが、満州からソ連軍に向けて飛んだ特攻兵の存在は知らなかった. しかも妻を乗せて.

 「妻と飛んだ特攻兵」という本がある. 豊田正義氏による緻密な取材に基づく特攻兵の記録だ. 
狂気の世界の中で、1人1人の”個”である人がどのように迷い、苦悩し、生き、死んでいったのか. 人は歴史から何を学びとらなければいけないのかということを深く考えさせられる記録だ.
 この本で取り上げられた谷藤徹夫氏(当時22歳)は終戦後の8月19日、後部座席に妻・朝子を乗せ九七式戦闘機でソ連軍戦車部隊に特攻した. 終戦後の満州でなぜ特攻を行ったのか. なぜ軍規を破ってまで妻を乗せて行ったのか.
 彼は特攻の前に辞世を残している.

 「国敗れて山河なし 生きてかひなき生命なら 死して護国の鬼たらむ」

 時は過ぎ去り、過去の戦争と狂気の記憶が消えようとしている.
 歴史から、人の記録から何かを学ばなければ、我々は再び間違いを起こしてしまう.
 世相の奥底に潜む狂気を、再び表に出してはならない.






7.13.2013

サソリの尾っぽ

夏のにぎやかな星空の中でも好きな領域のひとつ.  サソリの尾っぽ.


銀河中心方向から少し銀河面を下ったあたり.
いて座の銀河中心ほど派手じゃないけど、暗黒星雲とともに散開星団や散光星雲が花開いていて目を奪われる星の多さ.

宇宙にはいろんな世界があるんだろうなぁ.

7.01.2013

アトランティス

スペースシャトルのラストフライトを飾ったアトランティスがついに一般公開。

http://www.kennedyspacecenter.com/the-experience/atlantis-shuttle-experience.aspx

フロリダで最後の打ち上げを見てからちょうどこの7月で2年。
シャトルの打ち上げを見たのはあれが最初で最後だった。
DVD作品を作るという仕事という建前があったものの、とにかく最後になる打ち上げは見たかったという気持ちが強くてフロリダへ行ったのだ。
子供の頃から宇宙に関心があったこともあり、Kennedy Space Centerはいわば聖地のようなもの。現地に飛ぶ前からわくわくして落ち着いていられなかったことを思い出す。



再びフロリダへ、Atlantisに会いにいきたい。